最近は昼寝が捗りすぎて困っているマン、こーでーです。
実は、今年の頭にAthlon200GEを購入しました。
卒業研究で使うことを考えてこのCPUを購入していたのですが、結局このCPUは使わなくなってしまったので200GEが余ってしまいました。
そこで、200GEはオーバークロックすると化けるという情報を耳にしたのでせっかくだからOCで遊んでみることにしました。
*OCはメーカー保証外の行為であり、個体によって動作が安定しないことがあるため完全に自己責任となります。
今回の目標
Athlon200GEのOCに関する記事を読んでみると、おおよそ3.9GHzまではどの個体でも回る感じだったので、一つ目の目標は3.9GHzでOCCT(no AVX)1時間をエラーなく走ること。(正直5分安定して走ったら全く問題ないと思ってる)
その目標を達成した場合、クーラーをWraith Spireに交換して常用限界までOCをしていこうと思います。
常用の判断として、CinebenchR15を5回連続完走を目標とします。
環境構成
今回の構成は、
- CPU:Athlon 200GE
- M/B:ASRock B450M SteelLegend
- メモリ:Patriot DDR4 2666MHz 4GB*2
- SSD:SiliconPower S55 120GB
- 電源:Thermaltake Smart BX1 450W
- OS:Windows10 64bit 1909
以上の構成でOCをやっていきます。
写真に写ってるWraith Spireは3.9GHz以上のOCで使います。
ベンチ結果
今回ベンチマークに使用したのは、
- CinebenchR15
- CinebenchR20
- 3DMark
- PCMark
の4種類になります。
3DMarkはCPUのスコアのみ記載しています(グラボが載ってないためグラフィック系のスコアは参考にならないと思うので)
ベンチマークを取るにあたって3種類のOCを比較しました。
- 3.7GHz、1.4V
- 3.9GHz、1.4V
- 4.0GHz、1.5V
3.7GHzに関しては第二世代Ryzenシリーズの最下位グレードである2200の”G”と同じクロックを目指して設定しました。
また、4.0GHzは今回の検証で使用したベンチマークがフリーズせずに完走できる最高クロックだったため比較対象としています。
まずはCinebenchR15。
マルチ、シングル共にクロックを上げると順当にスコアが伸びていることが分かります。
4.0GHzでのスコアを他の製品と比較すると、intelのi3 7100くらいの性能が出ていることが分かりました。
また、3.7GHzのシングルスコアはRyzen3 2200Gよりも高いスコアが出ていることもわかりました。
次はCinebenchR20。
これもR15と同じ傾向が出てますね。
R15よりもスコアの伸び率が上がっているようにも見えます。
R15 (cb) | OC/Stock | R15 Single (cb) | OC/Stock | R20 (pts) | OC/Stock | R20 Single (pts) | OC/Stock | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
定格 | 339 | 125 | 781 | 302 | ||||
3.7GHz,1.4V | 387 | 114% | 144 | 115% | 923 | 118% | 361 | 120% |
3.9GHz,1.4V | 417 | 123% | 150 | 120% | 961 | 123% | 383 | 127% |
4.0GHz,1.5V | 423 | 125% | 154 | 123% | 986 | 126% | 395 | 131% |
定格から4.0GHzへOC時のスコアの伸び率は23~31%であることから、クロックの伸び方に沿ったスコアの伸び方ということが分かります。
もしかしたらもっとクロックを伸ばすことができるのかもしれないのですが、まだ未知数の領域です。
続いて3DMarkのCPUスコア。
これもクロックを伸ばすとスコアが伸びているのが分かります。
TimeSpyに比べFireStrikeの方が伸びが良いことから、DirectX11が得意なAPUであることが読み取れます。
TimeSpy CPU | OC/Stock | FireStrike物理コア | OC/Stock | |
---|---|---|---|---|
定格 | 1804 | 5370 | ||
3.7GHz,1.4V | 2052 | 114% | 6210 | 116% |
3.9GHz,1.4V | 2133 | 118% | 6532 | 122% |
4.0GHz,1.5V | 2178 | 121% | 6634 | 124% |
4.0GHzにOCした時のスコアの伸び率は21~24%と順当に伸びていることが分かります。
今回グラフィックのスコアを載せていませんが、スコア自体はCPUの性能向上によって若干伸びてはいますが、一桁台しか変動がなく比較することが困難でした。
一応CPUテスト時の平均fpsのグラフも提示しておきます。
正直、TimeSpyやFireStrikeのような重量級ゲームベンチを走らせるようなCPU出ないことは一目でわかります。
とはいえFireStrikeの方は順当にfpsが上がっているのが分かります。
ただTimeSpyでは一桁を抜け出すことはできず伸びもイマイチ。
次はPCMarkのスコア。
こちらもクロックの伸びに伴ってスコアが伸びています。
よく見ると3.9GHzのスコアが3.7GHzに負けているところやスコアの伸びが1割未満である箇所があるのが分かります。(下の表の赤字参照)
もう少しデータが取れれば順当に数値が伸びていくと思いますが、今回の検証では3.7GHzと3.9GHzの大きな違いは見られませんでした。
それにしても、4.0GHzへのOCが全ての項目においてよく効いていてとてもうれしい結果です。
PCMark10 | OC/Stock | Essentials | OC/Stock | Productivity | OC/Stock | DigitalContentCreation | OC/Stock | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
定格 | 3127 | 6685 | 5290 | 2347 | ||||
3.7GHz,1.4V | 3400 | 109% | 7181 | 107% | 5857 | 111% | 2536 | 108% |
3.9GHz,1.4V | 3416 | 109% | 7298 | 109% | 5810 | 110% | 2552 | 109% |
4.0GHz,1.5V | 3565 | 114% | 7424 | 111% | 6247 | 118% | 2652 | 113% |
4.0GHzへのクロックの伸びに対して、スコアは11~18%と今までのベンチに比べて伸びていない模様。
200GEとは直接関係ないですが、Productivityの性能が一番上がっていることためビジネスアプリを用いる際にはクロックが高いものが良いのではないかと推察します。
CPU温度
定格でのベンチマーク中のCPU最高温度は44~47℃の間で落ち着いていました。
3.7GHzOC時のCPU最高温度はR15で66℃、R20で71℃、PCMarkで70℃と定格の149~154%。
3.9GHzOC時のCPU最高温度はR15で67℃、R20で73℃、PCMarkで74℃と定格の152~159%。
定格から3.7GHzで約+52%、3.9GHzで約+56%であったことから、クロックの変化と比較して温度上昇は比較的落ち着いているのではないでしょうか。
電圧を適正な値でベンチを回せばもっと下がるはずなので、クロックよりも電圧の値が温度へ影響を与えていることが分かります。
4.0GHzOC時のCPU最高温度はR15で72℃、R20で81℃、PCMarkで77℃と定格の164~176%で定格+70%でした。(クーラーはWraith Spireを使用)
やっぱり1.4Vから1.5Vに昇圧したことで温度も急激に上昇しています。(クーラーの性能が良ければもしかしたら電圧も下げることができるかも?)
CinebenchR15のみであれば1.45Vまで下げて3回連続完走することができたのですが、重いR20では途中でフリーズしてしまうため、安定動作を確保するためには昇圧してあげることが必要な個体であることが分かりました。
1.45Vと1.5Vの間を細かく探ることができていないので今後200GEをOCして運用する機会が有れば電圧の調整を行っていきたいと思います。
ちなみに、4.0GHz、1.5VでOCCTを回している時のCPU最高温度は83℃で落ち着いていました。
途中でフリーズすることもなく動作も安定していたため、クーラーさえしっかりとしたものを用意していれば4.0GHz、1.5Vで常用することも可能でしょう。
まとめ
今回のオーバークロック検証で分かったことは以下の3点。
今回のOC検証によって、エントリークラスのCPUはOCすることで性格がガラッと変わることが分かりました。
軽量なゲームであればOCしたAthlon200GEとエントリークラスのグラボを合わせることで十分な性能を発揮することができるのではないかと思います。
現状メインPCにつかっているGTX1060しかグラボを持っていないため、メインPC用に新しくグラボを導入した際には200GE×GTX1060を使ってゲーム系のベンチマークも録りたいです。
あとはOCメモリを使用してベンチのスコアにどれだけ影響するかも試してところ。
今回のOCによってAthlon200GEの可能性を見出すことができ、個人的に収穫の大きい検証となりました。
今後もAthlon200GEを使って様々な検証を出来たらと思います。