こんにちは、こーでーです。
今回は久しぶりに自作キーボードの組み立て話です。
これまで幾つか自作キーボードキットを組んできましたが、今まで触れたことのないものがありました。
まず、「カラムスタッガード配列」のキーボード。
カラムスタッガード(縦ずれ)配列は人の各指の動きに合った理想的な配列だと考えていたでいつかは組んでみたいと思っていました。
もう一つは、「静音スイッチ」。
家で使う分にはスイッチの音はあまり気にはしていない(むしろ音がある方が打ってる感があって好き)なのですが、外でキーボードを使う機会が有った時に音が響いてしまうことがあるので静音のキースイッチを使ってみたいと思っていました。
なので今回はカラムスタッガード配列キーボードと静音スイッチを使ったキーボードを組み立てたのでその記録をここに記したいと思います。
今回のキーボード構成
今回採用した静音スイッチは「U4 Silent Tactail Stems」と「MX用 金メッキスプリング 62g 」を「Kailh Pro Purple」に組み込んだスイッチです。
なぜこのスイッチを選んだかというと、タクタイル感が強く重めのスプリングで安価なスイッチを探している中で、「わざわざ売っているものをそのまま使わないで、キメラスイッチ的に好きなものを組み合わせてスイッチを作ってしまえばいいのではないのか」と思ったことが発端。
いざ組んでみたところ、重めのスプリングと強めのタクタイル感が見事に理想通りの感触になっていたので初めてのスイッチカスタマイズは大成功でした。
続いて、キーボードキットはカラムスタッガード配列の60%キーボードであるFortitude60を選びました。
このキットを選んだ理由としては、カラムスタッガード配列であること以外に数字行がある60%キーボードであることやUSB Type-cを採用していること、アクリルプレートを組み合わせて組み立てる高耐久キーボードであることです。
外でPCを使って作業することもあるので耐久性が高いということはかなり魅力的でした。
組み立て
今回もTwitterの作業報告をしたのでその様子を載せておきます。
キーボードとは関係ないですが、今回ニッパーを新調したのでダイオードの足をギリギリまで切断できるようになりました。
切れ味も抜群なのでこれからも活躍してくれること間違いなし。
組むぞ👊 #fortitude60 pic.twitter.com/wrnifXUdkD
— Ko-De- (@Ko_De_P) 2020年6月28日
田植え完了 pic.twitter.com/66S2Nnrk2y
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ダイオード付け終わり(訳あって時間めっちゃかかった) pic.twitter.com/gjsRzceFqh
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コネクタ、タクトスイッチ、ピンヘッダ取り付け完了 pic.twitter.com/MYfLMUE7IX
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プレートにスイッチハメハメ pic.twitter.com/Y9Sr6zj1fC
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スイッチ半田付け完了(3つのアクリルを嵌めるのが一番大変だった) pic.twitter.com/hKY8hJNSDC
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MCUとtypecコネクタ付けた pic.twitter.com/jYQWNhZFMa
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LEDテープ実装 pic.twitter.com/MyAJOgFw0O
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と、ここまでは順調に進んでいたのですが、ファームウェアを書き込んで動作テストをすると反応しないキーが多数とTRRSで繋いだときにUSBを刺していない側が全く反応しない事態に。
今のマイfortitudo60の症状
— Ko-De- (@Ko_De_P) 2020年6月28日
・右手が反応しない(右単体でUSB刺してもキーボードとして認識しない)
・左手の数字行、一番左の列、最下段の一番左のキーが反応しない
なお、現状はファームウェアの書き込みは出来てLEDの配線を外した最小構成の状態
トラブルからの解決
にっちもさっちもいかなくなってしまったので、今回初めてDiscordのSelf-Made Keyboards in Japanというサーバーにて相談させていただきました。(問題解決に携わってくださった方々、本当にありがとうございました
初めに反応しないキーとMCUの導通確認をすることとGNDが他とショートしていないかを確認する作業を行いました。(導通確認のためにテスターを購入
その結果、丁度反応しないキーとピンヘッダの導通はしているものの、ピンヘッダとMCUが接触不良を起こしていました。
ビルドガイド上では「フットプリントをきつめに設計しているためはんだ付けしなくても動作は可能」と記載されてたのですが、「ゆるい場合や一部接触不良になる場合ははんだ付けしてください」とも書かれています。
なので今回の私の個体は接触不良が原因で正常に動作しなかったのでMCUとピンヘッダを半田付けすることで問題解決に至りました。
ただ、TRRSで繋いだ時のUSBを刺していない側が反応しない問題は解決しませんでした。
TRRSケーブルの不良も考えましたが、Ergo42で正常に動作しているのでケーブルの不良ではない、次にTRRSジャックの不良を考えましたが、導通確認で左右の導通は出来ていることからこれも違いました。
色々試しているうちにファームウェアが書き込めなくなる事態になってしまい、今まで使っていたMSYSからQMK Toolboxを使用してFortitude60のdefaultキーマップを書き込んだところ、正常に動作。
ということはファームウェアを書き込む環境に原因があると考え、一から環境構築をし直しました。
前はGithubからQMK Firmwaraのzipを拾ってきて展開し、MSYSでスクリプトを起動する方法で構築していたのですが、新しいキーボードのファイルが出てきたときにzipで拾って元のファイルを上書きする方法だと正常に動作しないことが判明。(このあたりの知識がないので正直よくわかっていない
なのでビットトレードワンさんに記載されている構築方法で試したところ、正常に書き込みができるようになりました。
最新のものに変更する方法として[ git pull origin master ]という方法を教えていただいたので備忘録としてここに記載しておきます。
やっと完成
紆余曲折ありましたが、1週間近くかけて完成することができました。
キーキャップはTEX ADAを使ってオシャな感じに。
アクリルが多く使われていることもあって、underglowLEDの光が拡散してとても綺麗に光っています。
実際に打ってみた感触としては、指を動かしたときに適正な位置にキーがあるので直感的に打ちやすいと思いました。
特に小指のあたりのキーが下がっているおかげでかなり打ちやすいです。
また、親指に配置されるキーが多くあるのであまり活躍することのない親指を活かすことができてとても良きです。
スイッチ自体の感触もよく、キーボード自体が剛性が高いので底付きした時の静音スイッチ特有のグネグネ感が少ないので打っていてとても気持ちいいキーボードになりました。
初めてカラムスタッガード配列のキーボードを組み立てましたが、エルゴミクス的にとても理想的な配列だと改めて実感したので今後も他のカラムスタッガード配列キーボードが欲しくなりました。(ErgoDashとかCorneとかLily58とか…
これでロースタッガード配列、カラムスタッガード配列、格子配列の三大配列キーボードが揃ったので、それぞれを気分に合わせて使っていこうと思います。
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この記事は、Fortitude60を使って書きました。